MELODIC FRONTIER

FireFest IV 観戦記 - 2006.10.26

毎年イギリスで開催されるメロディックロックの祭典 FireFest に今年も行ってまいりました。

今年の前夜祭の会場となったのは本編当日の会場内に併設されたクラブ The Rig ではなく、会場近くのノッティンガム大学構内のホール Nottingham Trent Students Union。こちらは The Rig の劣悪な環境とは異なり、きちんとしたステージと音響設備を持った会場で一安心。

前夜祭のトップを飾るのは John Harv Harbinson (ex.SWEET SAVAGE, EMERALD, DEN OF THIEVES) 率いる STORMZONE 。どうせお父さんの道楽バンドなんだろうなとタカを括っていたのだが、これが予想以上にバンドとしてしっかり纏まっている。音楽性も NWOBHM の流れを汲む古き良き時代のブリティッシュ・ハードといった感じで、アルバムの出来もよかったが、ライブパフォーマンスも好印象。オーディエンスからの反応もよく、30分と短い文字時間の中でも大健闘。


2番手は Steve Grimmett Band (ex.GRIM REAPER, LIONSHEART) 。オープニングから LIONSHEART の名曲 "Portrait" で幕を開け、一気に火が点きそうになったが、カンペがないと歌えないわ、声は出てないわ、リズムはヨレヨレだわと良い点がまったく見当たらないしょぼいパフォーマンスに萎える。セットリスト的には LIONSHEART 時代の曲を中心に新作ソロからも美味しいところだけを抽出し、締めは GRIM REAPER の "See You In Hell" と、これだけ見ると楽しめそうだし、曲の良さは堪能したものの、パフォーマンス的には今回のメンツの中でも一番残念な出来と言わざるを得ないかな。


続いては FAIR WARNING の Tommy Heart の本業(?)こと SOUL DOCTOR 。昨年は FAIR WARNING として FireFest に出演したが、その FW の時よりも明らかに活き活きとしたパフォーマンスを披露。やっぱこういうライブ映えするハードロックが一番やりたいんだろうなぁ。オーディエンスもかなり盛り上がっていたものの、個人的には彼らの作るフックの無い凡庸なロックンロールチューンにのめり込めないため、3曲ほどでロビーで休憩。


SOUL DOCTOR の熱演を BGM にロビーでビール飲みながら休んでいる最中、横浜在住のオーストラリア人メロハーマニア(一番好きなバンドは STRANGEWAYSらしい)と知り合いになる。向こうが片言ながら日本語も話せるため、「おいおい、ここノッティンガムだぜ?」と思いつつも、「やっぱ DANGER DANGER は Paul Raine 時代だよな」などと、日本でもしないであろう会話で盛り上がる。


と、休憩が思いのほか長引いてしまったため、トリ前の DEMON はラスト数曲のみしか観れず。観れた時間こそ短いながらも MAGNUM, SARACEN といったバンドにも通じるドラマティックなブリティッシュ・ハードロックをベテランらしい堅実なパフォーマンスで存分に堪能。ラストの名曲 "Night of the Demon" を聴き終え、もっとちゃんと観ておけば良かったとちょっとだけ後悔しました。


前夜祭トリは THRESHOLD 。夏にヴォーカルの Andrew 'Mac' McDermott が脱退したため、初代ヴォーカルの Damian Wilson をゲストに迎えてのライブとなった。流石に欧州全土をコンスタントにツアーするバンドだけあって演奏は非常にタイトで、ヴォーカルも実力派だけあって違和感無く溶け込んでいる。しかし、彼らのステージが開始したのは夜中 0:00 過ぎ。緻密な展開と叙情性を堪能するには集中力に欠ける時間帯であったため、途中睡魔に襲われることもしばしば。出来れば観る側にも余裕があるときにじっくり観たいなぁと思っていると、終盤での "Pilot in the Sky of Dreams" ~ "LIght And Space" ~ "Fragmentation" の名曲3連発で見事に息を吹き返し、テクニカルに交錯する叙情世界を存分に堪能させてもらい、前夜祭は無事に終了。初日のハイライトはやはり THRESHOLD。