FireFest V 観戦記 - Day Two 2008.10.26

BURN
FireFest 5 - BURN復活作 "Global Warning" が今年のベスト10入り確実なほどの素晴らしい作品ではあったけど、昨日の TALON の件もあり、オープニングを飾るバンドに過剰な期待を抱くのは止めておこうと思ってたら、これが凄い良いバンドでびっくり! 情感溢れるヴォーカル、粒の揃ったピッキングでテクニカルにソロを決めるギター、ウェットな叙情を彩るキーボード、タイトなリズム隊が一丸となり繰り出す TEN meets GOTTHARD な熱いブリティッシュ・ハードロックは楽曲の良さを超えたライブならではの何かを確実にオーディエンスの胸に刻み込んでくる。認知度の低い地元のバンドが会場を暖めるという意味で理想的なオープニングアクト。こういうバンドに生で触れる機会が得られるのもフェスの醍醐味。アルバムは気に入ってたけど、今回のライブでバンドのファンになりました。

DAVID READMAN
FireFest 5 - DAVID READMAN前日の PC69 での熱演も記憶に新しいが二日目では Alex Beyrodt (Guitars) を初めとするドイツ人ミュージシャンをバックに従えソロで登場。歌は凄さはPC69と同様ながら、時にWHITESNAKEを彷彿させるオーセンティックなハードロックはスタイルこと魅力的ながら肝心の曲は今ひとつ響いてこない。またプレイも特筆すべき点はなし。ラストでは David Readman も参加した Alex Beyrodt のプロジェクト VOODOO CIRCLE からの曲を披露していたが、こちらも今ひとつピンとこなかった。

H.E.A.T
FireFest 5 - H.E.A.T元々 PRETTY MAIDS の代役だったが、二日前にヴォーカルが病気になり参加が不可能に。それでもキャンセルするわけにはいかないため、代役に Erik Martensson (ECLIPSE) を起用。まさか生 Erik が見られると思わなかったのでそれだけで大興奮だが、代役にも関わらずまるで自分の持ち歌のように H.E.A.T の楽曲を歌いこなす姿は若き天才と呼ぶに相応しい。また、バンド自体も若いながらもライブ慣れしててなかなかのライブ巧者振りを発揮。 WIG WAM が作った流れに乗った 80's リヴァイバルなメロハーは非常にライブ映えし盛り上がる。また、リハ時間がとれなかったのか、オリジナル3曲に続きカヴァータイムに突入。まさか "Cherokee" (EUROPE) を Erik の歌で聴けるとはと興奮していたところ、続いてゲストとして Pekka Ansio Heino (BROTHER FIRETRIBE, LEVERAGE) が登場のサプライズあり。 "Fool For Your Loving" (WHITESNAKE), "Living On A Prayer" (BON JOVI) を披露、更には "Separate Ways" (JOURNEY) では Erik とのデュエットを聴かせる大盛り上がり。締めはオリジナル曲に戻り "Never Let Go" をプレイしライブは終了。こういったサプライズがあるとバンドにも思い入れが出来ちゃうもので、BURN同様、バンドのファンになりました。

ROX DIAMOND
FireFest 5 - ROX DIAMONDデビューアルバムは XYZ みたいな "Dokkenish" なハードロックだったけど、ライブだとキーボードを前面に押し出したプログレハード的な雰囲気を持ってたのはちょっと意外。デビューアルバムはリリース当時、結構気に入ってたんだけど、ライブで聴くと今ひとつ引っ掛かりがなく正直退屈。結局数曲観た時点で後のことを考え食事タイムに。

MITCH MALLOY
FireFest 5 - MITCH MALLOY7年前の GODS では自身のバンドを引き連れていたが、今回はゲストに Tommy Denander を迎えたスウェーデン人ミュージシャンをバックに迎えての出演。本当ならドラマーは Daniel Flores (MIND'S EYE) が務めるはずが、交通事故により来れなくなったため、急遽代役を立てたというのが少々残念だったけど、バンドはしっかり纏まっていたので問題なし。主役である Mitch Malloy はといえば、ステージに立つだけで華のある天性のフロントマンぶりは目を引き、身体の芯から出している美しい発声は発するだけでその場の空気を変えてしまうだけの力を持っており、その声を聞いているだけで感動。また、 Tommy Denander のプレイも数々のセッションワークをこなしているせいか違和感なく溶け込み、フロントマンを引き立てつつもちょっとした繊細なフレーズでアピールするセンスも持ち合わせており、正直見直しました。今回は DVD 撮影もあったせいか、名作 1st を中心にオーディエンスの求めているであろう理想的選曲で名曲の数々を堪能。アンコールでは JOURNEY の "Stone in Love" から "Anything at All" へと流れる嬉しいサービスもあり。個人的にはこの日のハイライトのうちのひとつ。

WHITE SISTER
FireFest 5 - WHITE SISTER2枚のアルバムはどちらも好きではあるけど、正直再結成なんで過剰な期待は抱いていなかったら初っ端から名曲 "Promises" で昇天。プレイも再結成バンドにありがちな同窓会ムードは皆無で現役感バリバリだったのは意外といったら失礼か。キーボードの耳障りは良いがヤワな印象はなく、しっかりハードロックした期待以上のパフォーマンス。曲が似てるわけではないけど、現役感溢れるプレイはシンフォ化した NIGHT RANGER といった感じ。途中、 "Double Cross" なる未発表曲(新曲?)も披露するなど、バンドとしてもフェス向け一夜限りの再結成ではなさそうな雰囲気なので、継続的な活動に期待したい。

TALL STORIES
FireFest 5 - TALL STORIESJOURNEY脱退以降の去就が注目であった Steve Augeri は TALL STORIES を再結成し、 FireFest に登場。シンプルながら柔らかく美しいメロディを持つアメリカンロックに Steve Augeri の美声が映える。JOURNEYの曲以外になるとそれほど Steve Perry っぽくはないが、それを抜きにしてもやっぱり上手く聞き惚れてしまう。ただ、彼らのデビューアルバムがあまり記憶に残っていなかったのと、疲れが溜まっていたこともあり、後半は睡魔に襲われ思わずウトウト。しかし、ラストで先ほど Mitch Malloy もプレイした "Stone in Love" のリフが掻き鳴らされ、再び意識を取り戻す。この二日間、様々なバンドによる JOURNEY の曲を聴いてきたが、やはり本家に携わった人の歌を前には敵わないなと実感。

DANGER DANGER
FireFest 5 - DANGER DANGERバンドの気合の入り方、オーディエンスの熱狂振りと会場全体を包むエネルギッシュな熱気が尋常じゃない。全曲キラーチューンで固めたフェス仕様の鉄板選曲も凄まじい。"F**k, Motherf**ker" を連呼する稚拙なMCもこの怒涛ともいえる雰囲気の中では全然あり。 ただでさえ熱狂的な雰囲気の中、止めを刺すかのごとく "Under The Gun" では Paul Laine が登場。1曲とはいえ、念願の PAUL DANGER を生で観られることができ心底感動。ここからは楽しすぎて記憶があやふやながら、ラストの "Monkey Business" では Danny Vaughn も飛び入り参加、狂乱の宴に華を添え盛大に盛り上がり終了。個人的ハイライトなのは当然ながら、フェス全体を見渡しても今年最大のハイライトとなったのは間違いない。来年には待望の新作も控えているとのことなので、きっとそう遠くない未来に再び彼らのステージを見られるに違いないと思うと、今からその日が楽しみでしょうがない。

FIREHOUSE
FireFest 5 - FIREHOUSE良質の楽曲、確かなパフォーマンス、人柄の良さがそのままステージに反映されたかのようなポジティヴな雰囲気は観ていて楽しいのだが、毎度毎度 1st, 2nd からの曲ばかりでいつも印象が変わらないのはちょっとなぁ。正直、 DANGER DANGER で燃え尽きてしまい、ヘッドライナーというよりはクロージングアクトといった雰囲気でゆったり楽しませてもらいました。でも、そろそろ新作だったり 1st, 2nd 以外からの曲も聴きたい。

全てのバンドが終了し、例年ならここで終了なわけだが、最後に主催者が挨拶のためステージに登場。プロモーターをつけずにフェスを作り上げた苦労と、音楽を心から愛し世界中から駆けつけたファンへの感謝を耳にし胸が熱くなった。みんなが買ってくれたチケットはバンドを招聘する経費に使われたとの言葉を聞き、ただ好きでチケットを買い会場に足を運んでいる自分もフェスの一部なんだなと実感。主催者、バンド、オーディエンスとその場にいた全ての音楽を心から愛する人たちの熱意には頭が下がるとともに、この至福の時間が少しでも長く味わい続けられるように、来年以降も時間・お金・体力の続く限り、参加し続けたいと思います。


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