THE GODS 2003 観戦記 - 2003.05.25 Live Report


TALON
デビューアルバムで聴かせてくれた COLD SWEAT, BANGALOR CHOIR を彷彿させる80年代末期の MTV ライクなアメリカンポップメタルスタイルの音楽性に思い入れの深い自分にとってこのバンドのライブには結構な期待を抱いていた。しかし、前日の STAN BUSH のバックバンドを務めた際の堅実と言えば聞こえが良いが、要は地味なパフォーマンスに一抹の不安を抱いていたのもまた事実。

肝心のライブはフロアのステージ付近にオーディエンスが誰一人いないという寂しい状況で始まったが、前日の地味なお父さんバンドという印象とは打って変わって力強いパフォーマンスで一気にオーディエンスの意識を自分たちに集中させたことがこのバンドのライブ巧者振りを証明していたように思う。ヴォーカルの Michael O'mara は高音部に多少の不安を抱えつつもそれをかき消すほどの力強い歌声を聴かせ、バンドのリーダーである Kory Voxen がハードエッジなギターリフとそこに乗る Jim Kee のテクニカルなリードプレイが華を添えるといったアルバムで聴かれた通りのある種懐古主義的とも言えるハードロックサウンドはあの時代をリアルタイムで通過している人間にとっては五臓六腑に染み渡るといった感じでエキサイトしつつも非常に心地よかった。

選曲はデビューアルバムからの楽曲を中心に新曲数曲を加えたものであったが、新曲に関してもデビューアルバムと同一線上にあるスタイルになっており、どの曲ともクオリティは十分といった感じで来るべき新作のプロモーションという意味でも効果的であったと思う。今時のアメリカにしては貴重なスタイルを確かなクオリティで聴かせてくれるバンドであるだけに、次作リリース後にはまた GODS のステージに戻ってきて欲しいと思わせるだけの爽快なハードロックショウであった。


EVIDENCE ONE
FRONTLINE, DOMAIN のメンバーを中心とするドイツ産メロディアスハードのスーパープロジェクトと読んで差し支えのないこのバンドはドイツ出身のバンドとして初の GODS 出演となったのも納得と言えるだろう。ただし、こういったある種の名のあるバンドのメンバーによるプロジェクトにキチンとしたライブが出来るかのという不安もあったが、このバンドの場合、ヴォーカルの Carsten Schulz は DOMAIN で HUGHES TURNER PROJECT, KELLY SIMONZ'S BLIND FAITH との長期ヨーロッパツアーを経験している上に EVIDENCE ONE としても SAXON, NOCTURNAL RITES とのツアーを経験しているとあって予想以上にバンドとして纏まりのあるプレイを聴かせてくれた。

アルバムではドイツのバンドらしい重厚なメロディアスハードといった感じであったが、アルバムよりも若干スピードアップしたテンポにライブならではの重さと勢いが加わると完全にメタルといってよい重量感溢れるダイナミックな音になっており、これがアルバム以上にカッコ良くなっていた。 Carsten Schulz は絶えずオーディエンスを自分たちのステージに惹き付けるためにステージを縦横無尽に駆け回り、リードギターの Robert Boebel は FRONTLINE では楽曲重視の控えめかつメロディアスなプレイとは異なり、テクニカルなフレーズを連発しハードロックギタリストとしての能力の高さを証明していた。

選曲は全て「 CRITICIZE THE TRUTH 」からの楽曲で占められていたが、ファンジン "FIREWORKS" のインタビューにおいて「 GODS では FRONTLINE の曲もプレイするのか?」との質問に対し「今回は EVIDENCE ONE のショウであって FRONTLINE の曲をプレイするのは Stephan Kaemmerer ( FRONTLINE のヴォーカル )に対してフェアじゃない」と答えていた。個人的にはライブを観るまではまだアルバムも1枚しか出てないし FRONTLINE の曲も聴けたら・・・という気持ちもないわけではなかったが、ライブを観てその答えにも納得した。これはあくまで EVIDENCE ONE というバンドであってそこに FRONTLINE のメンバーがいるだけに過ぎない。見終わった後としては寧ろ現在ソングライティングを行っているという新作「 TATOOED HEART 」からの新曲も聴かせて欲しかったと思えるくらい EVIDENCE ONE というバンドのショウに満足した。


NEXX
Coming soon...


DANNY VAUGHN (Acoustic)
今回の Danny Vaughn のステージはアコースティックショウということでたった一人でアコースティックギター片手に TYKETTO, VAUGHN の楽曲を聴かせてくれたらしい。私は諸事情により彼のステージは部分的にしか観ていないのだが、観た範囲のことを記述すると私が彼のステージを観るためにフロアに戻った頃には NEXX より ヴォーカルの Patricia Tapia と ギターの Bernardo Llobregat がステージに上がり "The Last Sunset", "Wings" の 2曲で競演を果たした。特に "Wings" は元の楽曲の爽快さに Patricia の女性ならではの優しい歌声が新味を加えた素晴らしいヴァージョンになっていた。実は NEXX の2人は今年3月に Danny が初のスペインでのライブを行った際に競演を果たしており、今回の GODS でもその競演の再来を期待していただけに2曲とはいえそれが実現したのは本当に嬉しかった。

上記2曲を観終えた時点で一旦フロアを離れなくてはならなかったのだが、再びフロアに戻るとアコースティックショウのはずなのに何故か PRIDE の面々がステージに加わり、バンド形式で TYKETTO の "Strength In Numbers" をプレイしていた。バンド形式となればあの曲も当然やるだろうと一気に期待が高まったが、その期待に彼は見事に応えてくれた。そうあの名曲中の名曲 "Forever Young" である。この曲こそがこの二日間において最高の盛り上がりを見せた瞬間であり、恐らく会場にいた人間が私と同じ気持ちであったのは間違いない。まさかバンドヴァージョンでこの曲を聴けると思っていなかっただけに体中の血が逆流するほどに興奮した。こういった粋な計らいが出来るのも GODS ならではの素晴らしさであるといって良いだろう。諸事情によりたった4曲しか観ることが出来なかったとはいえ彼にはただ一言「ありがとう」と言いたい。

To be continued...

About This Site

新譜レビューを中心にメロハーの「今」を伝えることを目的としたメロハーファンによるメロハーファンのためのメロハーサイトです。
Sorry, This site is Japanese only. If you want to contact me, please send mail to me
webmaster@melodicfrontier.com

お知らせ

MELODIC HARDROCK DISC GUIDE
2013年11月22日にディスク・ユニオン出版部門DU BOOKSより初の著書となる「メロディアス・ハードロック・ディスクガイド」を発売。厳選メロハー作品を400枚紹介。また、藤木昌生氏(BURRN!編集部)との特別対談も掲載。
全国の書店にてご注文受付中。また、以下のネット書店でもご予約いただけます。

DU BOOKS
Amazon.co,jp
HMV ONLINE
TOWER RECORDS ONLINE
楽天ブックス