Label : MARQUEE-INC. | Cat-No. : MICP-10330 | Release Date : 2002.10.23
1. Forever's A Heartbeat Away 2. The Power 3. The Last To Know 4. Restless Heart 5. Ambrosia 6. Two Strangers 7. Show Your Love 8. Soul Surrender 9. Long Live Those Golden Years 10. Once Touched By Love 11. Hello And Goodbye
自己のバンド MORATTI で2枚の作品を残しているロブ・モラッティと VON GROOVE のムラデンを中心としたプロジェクトのデビューアルバム。その音楽性は比較的シンプルなアレンジのハードロックサウンドにポップかつキャッチーなメロディが載るといったオーソドックスなハードロックになっており、その上に所謂アメリカン・プログレハード的なブ厚いコーラスハーモニーを重ねることによってメロディのキャッチーさをより一層引き立たせている。また、 VON GROOVE でも定評のあるムラデンの職人気質のツボを抑えたギタープレイも随所で耳を引く。
メロディの質に関しては MORATTI での幾分モダンさを含んだバッキングに載る冷めたメロディラインとは異なり、爽快さを主軸に時折哀愁を感じさせるものが多い。また、キャッチーといっても単にサビメロだけが印象的なわけではなく、楽曲全体を通してのメロディの組み立て方も非常に優れており、中でもメジャーキーとマイナーキーを巧みに配し、ダイナミックな曲展開を聴かせる "Restless Heart" は特に素晴らしい。その他の曲に関しても一度聴けば覚えられるほどキャッチーさを持った楽曲がズラリと並べられている。
ただし、メロディのキャッチーさという点に関しては非常に優れているのだが、その一方で繰り返し聴いていると第一印象での好感触が徐々に薄れてきた。つまり即効性は非常に高いが長く付き合えるほどの深みがないとでもいったところだろうか。恐らくそれは重厚ではあるものの高音域に癖のあるコーラスハーモニーの使い方が画一的で、アルバムが進むにつれて飽きが来るということもあるだろうし、プロダクションに拠るところも大きいのだろうが、バックの演奏そのものがそつがなさ過ぎて勢いやノリといった要素があまり感じられないというのもそういった深みのなさに繋がっているのかもしれない。
Score : 6 /10