GRAND ILLUSION - View From the Top

Label : Marquee-Inc. | Cat-No. : MICP-10305 | Release Date : 2002.06.21

GRAND ILLUSION  - View From the Top1. I Refuse 2. Battle For Your Heart 3. Zeroes And Ones 4. The Prophecy Of The Returning Son 5. Between Dark And Dawn 6. Straight Face 7. Gotta Give It Up 8. Who's It Gonna Be? 9. Positively Negative 10. Blinded 11. Don't Hurt Yourself

昨年発表したデビュー作「 THE BOOK OF HOW TO MAKE IT 」が好評を博したスウェーデンのメロディアスハードロックバンドの 2nd 。そのデビュー作では前身バンドである PROMOTION の美点を受け継いだライト感覚溢れる爽快かつポップなハードロックを聴かせてくれたが、今作はオープニングの "I Refuse" を聴いた時点で確かな手応えが感じられるように、その美点は受け継ぎつつもより重厚かつシリアスな面もアピールするといったように楽曲のヴァリエーションに厚みが出てきたというだけでなく、アレンジ、プレイ、プロダクションとあらゆる面において前作を軽く凌駕する程の素晴らしい作品に仕上がった。

前作では個々の楽曲に関しては似たような雰囲気のものが多く、アルバムを通して聴くと今一つ印象に残らない曲が多かったのだが、今作ではどの曲にしても一聴して耳に残るほど際立った印象を持つものが多いのが前作とは大きく異なる点と言えるだろう。また、このバンドの個性でもある重厚なコーラスハーモニーは前作では随所で多用するあまり、メロディラインの輪郭がボヤけてしまう場面も少なくなかったのだが、今作では導入の割合という点においては前作と同等、曲によってはそれ以上であったりするとはいえ、、しっかりとメロディをより印象的にすることに効果的に機能している点はようやく自身の個性を楽曲に反映させることが出来るようになったといえるのではないだろうか。

アルバムは持ち前の透明感溢れる叙情メロディがよりハードかつシリアスに炸裂する "I Refuse" で幕を開け、続いて幾層にも重ねられた重厚なコーラスハーモニーが壮大なドラマ性を描き出す "Battle Of Your Heart" へと流れていく。続く "Zeros And Ones" は前作の延長線上にあるライトポップチューンで一休み、そして "The Prophecy Of The Returning Son" で序盤のハイライトを迎える。曲調的には TERRA NOVA が得意とするハードエッジなアップテンポナンバーになっており、頭1分ぐらいは前3曲に比べると幾分シンプルに感じられるのだが、サビメロに到達するとまさに洪水と呼ぶに相応しい、まるでダムが決壊するかの如く叙情性溢れるメロディが一気に溢れ出すという緩急を見事にコントロールすることで生み出されるダイナミズムの前には序盤にこれだけ凄い曲があると後半に不安さえ感じてしまうほどの完成度を誇っている。

実際に中盤から後半に掛けては落ち着いた雰囲気の曲が続くこともあり、序盤に比べホンのわずかではあるが若干テンションが下がるのだが、 AXE の名曲 "Fantasy Of Love" を彷彿させるイントロから始まる所謂アメリカン・プログレハード的な古き良きムードを GRAND ILLUSION 流に解釈したといった趣の "Gotta Give It Up", ハモンドの響きがヘヴィなグルーヴを生み出すものの、メロディ自体は非常にポップな "Who's It Gonna Be?" といったらしさはキープしつつも新生面をアピールする楽曲が並んでいるために序盤と比較しても決して聴き劣りするといったことはない。

そして終盤には陳腐な表現ではあるが、まさに最強メロディックチューンと呼びたくなるほどの超名曲 "Blinded" が待っている。キーボードのみをバックにヴォーカルがしっとりとメロディを歌い上げるという穏やかなイントロに続き、リズムインすると彼らの持ち前の透明感溢れる叙情メロディの中でも最高峰のレベルの極上のメロディが優雅に流れるという序盤の充実振りさえもが霞むほどの名曲になっており、アルバムはここで本当の意味でのクライマックスを迎える。その "Blinded" の美しい余韻を引き継ぐバラードの "Don't Hurt Yourself" でしっとりとアルバムは幕を閉じる。

正直に言ってしまうと、前作は良いアルバムだとは思えるものの、自分が期待していたレベルには及ばなかったという印象があったのだが、今作は作品の出来という意味でも期待以上であったが、それだけでなくバンドとしての実力が垣間見えたということがなのよりも嬉しい。ここ最近のメロディアス・ハード系はというと良質なバンドは数多くあれど、やや小粒なバンドが多いように感じられただけに、今作で GRAND ILLUSION というバンドがそういったその他大勢から抜け出し、シーンを牽引していけるだけの実力を備えたバンドであることをアピールできたのではないかと思う。それだけに、今後はアルバムを製作するためのプロジェクトなのか、それともライブ活動を視野に入れて活動していくのかが気になるところではある。出来ることならばライブの場においてその芳醇なメロディを生で感じてみたいと思っているのは私だけではないはずだ。

Score : 9 / 10

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